お盆休みを利用し、毎年恒例に成りつつある川虫くんとのお泊り釣行ではあるが、今年は様子がおかしい。雨ばかり降っていて、しまいにはとどめの台風10号だ!水量が気に成ってはいたのだが、その前に林道が崩れて目的の沢へ行く事が出来ない。しょうがなく目的地を変更するように川虫くんと話していた。ところが出発直前になって林道の復旧を知り、とりあえず目的の沢を目指してみる事にした。車止めに付く頃には辺りは薄明るく成ってきて、おまけに雨までポツポツと降り出した。天気予報で雨が降るのは覚悟していた。『まぁ、のんびり行けばイイや、、、そんでもせっかく行って釣りが出来ないのは嫌だなぁ、あんまり降らないでくれ〜』祈りながらドブ濁りの川沿いに付けられた荒れた林道をトボトボと歩いていった。


天場を目指し沢歩きをしていると、前方になにやらタープらしき物を発見!近寄って見ると人間が横に成っているようだ。向うもこちらの存在に気付き挨拶を交し少し話してみるとやはり釣り人で、林道の復旧を2日間待って昨日入渓したと言う!って事は台風の日かその次の日に来ていたって事か!?凄い人が居るもんだ!しかも単独である。その人の話しでは『何所で釣っても入れ食いだよ』との事、、、アプローチの疲れも忘れ期待が高まって来た。

今夜の寝床を決めたらブルーシートを張り、焚き火用の薪集めだがこれが思ったより大変で中々集まらないのだ。何とか集めた薪の量は多少寂しい気もするが、もう釣りしたくてたまらない!良しとして釣りに出掛ける事にした。

最近ようやく面白さが分かってきたルアーで釣り上がると直ぐに塩焼きサイズが釣れた。テンカラ竿を振る川虫くんは増水にブッシュが多い区間という事もあって苦戦しているようだ。
しばらくして雨も止み虫が飛び始めると、川虫くんが最初の1尾を釣り上げた。ここからが圧巻で次から次ぎへと良型を抜き上げている。川虫くんが爆釣し始めてから私の方はと言うと何故かイマイチ釣れなく成ってしまい、釣れても手のひらサイズのカワイイやつばかりなのだ。

水量が多いので渡渉するのも大変なのだが、2人とも夢中で釣り上がって、昼飯を食べるのも忘れていた。握り飯を食べ簡単に昼をすませると、先に行った川虫くんを急いで追いかけた。

渓脇の踏み跡らしき場所を行くと川虫くんが見えてきた。その下流にはチョット気に成るポイントが有ったので竿を出してみる事にした。ルアーをキャストすると、思った場所に着水しリールを巻き始めたその瞬間、深い所からでっかな魚影が見えたかと思うと”ゴツッ”と言う手応え!あっと言う間の出来事だった。立派な魚体を手にすると顔の筋肉がみるみる緩んでいくのが自分でも良く分かる。こんなだらしない顔を見られるのは嫌なので一息、気持ちを整え平静を装い川虫くんの所へ見せに行った。平静を装ったつもりだが、どうやらオイラの顔はウソをつけてなかったようだ。

去年釣堀状態だった淵の所まで来て、荷物を降ろし一服入れた。私は尺ヤマトの余韻でもう十分。川虫くんの釣りを座って見ていた。毛鉤に反応する魚の姿が良く見え、見ているだけでも面白い。今年も入れ食いの淵は健在だった!ガッハッハッハッ、、、渓には2人の笑い声が木霊していた。

夜は心配していた空模様も何とかもちそうで、焚き火の前の宴会が楽しみである。支度を済ませカンパーイ♪
喉がカラカラでビールがバカウマッ!岩魚の塩焼きはじっくり時間を掛けて焼くのだが、これも待ち遠しい。それなのにオイラの体がどうもおかしいのだ。食中りか生水に中ったか吐き気がして何度かもどしてしまった。こんな事は初めてだった。これからって時に・・・早々にダウンしてしまい悔やまれるし川虫くんには申し訳無い。

気持ち悪くなり0時過ぎに目が覚めて嘔吐し、再び目が覚めたのは3時過ぎだったがその時にはすっかり調子が良く、なんだが飲みたくなるまでに成っていて、冷めてしまった塩焼きをツマミに酎ハイを飲みもうひと眠りする事にした。
目が覚めると辺りは薄明るくなり始めていたので、薪を集め火を起こす事にした。川虫くんが起きるまでビールや酎ハイを飲みのんびりとしていた。

昨日は2人共満足いくまで釣りが出来たので、朝はゆっくりとしてから釣り支度をして出掛けた。直ぐに良型が掛ったのだが捕り込む寸前でバレてしまった。その後は7寸を1尾釣り上げてからはさすがに昨日のようには釣れない。しかもコケた瞬間ロッドを折ってしまい、オイラの釣りはこれでお仕舞い。あとは川虫くんの釣りを見学する事にした。最後にライズしている魚を発見し、チョットだけアツく成り引き返す時間が遅く成ってしまったが、体調が良くなったからだろうか、帰りの歩きはすこぶる快調で予定よりも早く、暗くなる寸前に車止めに到着した。
川虫くんの釣り日記



































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