最近では布団に入って眠る直前になると、決まって渓流での釣りを想像してしまい、そして決まって大物を掛けた瞬間を思い浮かべ、ニタニタした顔をしつつ深い眠りに付いている。 今シーズンは解禁になっても思うように休みが取れずそわそわしていると、毎晩の想像はどんどんと膨らんできてしまうのだ。

 今回の釣行は午前中だけ時間が取れたので強引に渓流へと行って見る事にしたのだが、何処へ行こうか迷ってしまう。暗いうちに車止めへ着き一眠りしてから去年良型が何本か出たポイントへ行く事にした。
 
 釣り場に着き、昨日買ってきたフライ用のバッキングラインをセットしハリスには沈む黒毛鉤を結んだが、あまりの寒さに手がかじかんで結ぶのに随分手間取ってしまった。バッキングラインは去年の最終釣行でまるちゃんの使っていた物を借りたら凄く使いやすかったので、今シーズンはこれでいこうと決めていたのだ。


 ほんの一時竿を振っていたが、余りの寒さに耐え切れなくなってきて、腹は減っていなかったがラーメンを食う事にした。、、、が、コンロのガスカートリッジが空なのに気付き愕然としてしまった。去年ガスを使いきったのは解っていたが、新しいのを購入したつもりで居たのだ。
 こうなると何とも心細く寒さが増してきてしまったようだ。しょうがないのでタバコに火を点け少しでも暖かく成ったつもりで、取り合えず体を動かそうと思いしばらく歩く事にした。

 そのうち太陽が出てきたせいも有り、体の震えが納まったので目の前の好ポイントに竿を出す事にした。
 一つのポイントを何時もより時間をかけ、じっくりと探りながら釣り上がって行くのだが、全く反応がない。この寒さでテンカラでは苦戦するだろうとは想像して居たのだが、反応が無いどころか魚の姿も見れないし気配も感じない。去年良型が出たポイントでは更に慎重に、自然に流したり、誘ったり、流れに乗せて沈めたり、色々ためしてもやっぱりダメなのだ。
 そのうち「今日はダメかもしれない」という気持ちが無意識にそうさせたのか、ふと気付くとポイントに近付き過ぎていたり、高い姿勢のままアプローチしていたり、どうも惰性で竿を振っているだけに成ってしまっていたようだ。完全に集中力が無く成って来ていたので、これじゃあ釣れる魚も釣れなく成ってしまうと思い、握り飯を食って休憩する事にした。

 時間が気に成った。今日は半日しか出来ないので残された時間はもう僅かなのだ。足早でポイントポイントを移動しつつ探って行くが、やはり今日はダメなようだ。予定納竿時間を少し過ぎた時点でようやく観念し引き返す事にした。

そう言えば、去年の釣行ではボーズというのが1度も無かったのだが、、、
今年の釣りはどうなるのだろう?余り期待を膨らませすぎると良くないかもね〜

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