早川・野呂川≠サの名前は各種メディアでよく目にしていた名前だ。有名な渓ではあるが、あの日まで私には大井川や安倍川のように身近な感じはしなかったのだ。日帰り釣行の私には遠くの渓流で行ける範囲では無いと勝手に思い込んでいたのだ。そのため何かの拍子に早川という名前を目にしても余り興味を示す事は無かったのだ。
Hさんと初めて会ったのは源流紀行≠購入するために家を訪ねて来てくれた時の事で、少し話をした時に『早川に良く行く』という話になり、Hさんの住む清水から早川までは何時間位掛かるのか尋ねると、2時間も掛からないと言うのだ。私の良く行く大井川とも余り時間的に変わりなく早川がチョット身近な存在になって来たのだ。ネットの地図などを使って探してみると大井川の源流東俣とは稜線を挟んで隣同士だった。そして早川への興味が一気に沸いてきてとても行って見たくなった。そんな時Hさんが有休を取ってくれ、案内してくれると言うので、その言葉に有難く甘えさせてもらう事にした。
車止めに着いてから仮眠しようと思い、仕事を終えてからすぐに出発し待ち合わせのコンビニでHさんと落ち合い早川を目指した。途中夜間通行止めに遭いそこで仮眠する事になったが、その後は順調に車止めへと到着し、支度を済ませ釣り場へと向かった。
入渓地点につく頃にはかなり疲れてしまったが、流れを前にするとそんな事も忘れてしまいすぐに釣り開始である。テンカラの準備は実に簡単である。竿にラインもハリスも毛鉤もすべてくるくると巻き付けて仕舞って有るので、それを解いて竿を伸ばすだけなのだ。こんな所がテンカラが好きな理由の一つにも成っているのだ。もちろん毛鉤にバシャッと魚が出る瞬間が一番の醍醐味ではあるのだが、、、
竿を振り初めてすぐに手のひらサイズが反応した。私は水面下を漂う毛鉤を見失っていたが、毛鉤が有るであろう付近を漠然と見ていると、魚の反転するような姿が見えたので軽く合わせを入れた。記念すべき野呂川での初のイワナである。ニッコウイワナだが大井川でつれる魚体よりも赤っぽくて、とても綺麗な感じがした。
Hさんはテンカラも餌釣りもこなすが、今回は餌釣りから始め様子を見るようである。私は先行をさせてもらいHさんは後から餌をポイントに入れているが、どうやら入れ掛りのようである。次々とイワナを釣り上げている。私の毛鉤はと言うと、最初いきなり釣れたのだが、その後イマイチ反応無がく成ってしまった。

この釣り場は開けていて爽快だ、気持ちよく竿を振ることが出来る。今の時期ならではの新緑、若い緑の中を釣り上がるのはとても気持が良いものだ。そんな事を思いながら遡行しているとそのうち魚が良く釣れるようになって来た。テンカラをやるには少し水量が多すぎ緩い流れが少ないのだが、限られたポイントからはだいたい魚の反応を見る事が出来、とても楽しい時間が過ぎて行く。Hさんも餌釣りに満足したようでテンカラ竿に持ち替えていた。大きな流れなので、Hさんは左岸で私は右岸でという感じで釣り上がることが出来る。その代わり側壁が切り立って先に進めなく成ると、
渡渉しなければ成らなくなるのだが、流れが太すぎて中々渡渉することが出来なく大変である。
二本の流れの筋の間には流れが緩んだ場所が有り絶好のポイントである。慎重に近付き毛鉤をうまい事ポイントへと導くと、ラインにアタリが出た。と思った時には竿を持つ手にも感触が伝わっていた。当然無意識に反射神経が働き合せの体勢になっていた。良い手応えであるが、強引に寄せ取り込んだ魚体は立派な尾鰭を持つヤマトイワナのようだが、背中にはうっすらと白斑が混じっていた。サイズを手で測ると尺はありそうである。今日はメジャーを忘れてしまったのでHさんに測って貰うと丁度30センチだった。
Nさんは毛鉤を巻くのが好きだと言う。毛鉤入れを見せて貰うと、流石に綺麗に巻いた毛鉤が沢山並んでいた。その中でも今日使っているのは、フライで言う所のパラシュート≠ナある。完全に流れに浮かんだ状態で釣っているので、対岸から見ていても毛鉤を目視する事が出来、魚が出る所もバッチリ見えるので、思わず見入ってしまうのだ。魚は浮いてる毛鉤にも反応は良く、Hさんもかなりの数を上げていた。そのうち良型が掛かったようで、竿が弓なりになっていた。対岸のHさんがサイズを言ってるが流れの音にかき消されイマイチ聞き取れない。手で合図してもらいようやく9寸と言う事が分かった。魚を手にした所をカメラに収めたかったのだが、目の前の流れは深すぎて渡渉出来ずに残念だった。
昼を過ぎると雨が降り出し、魚の反応は益々良くなって来た様だ。雨に濡れた新緑もまた違った趣があり良いものだ。景色を楽しみながら釣り上ると、急に落差が出始め大きな岩がゴロゴロと現われる、、、そろそろこの釣り区間の終わりに成る。時間的にも丁度良く、適当な所から林道へ這い上がる事にした。

今回初めての早川は雪代のためか水量が多く、毛鉤でのポイントは少し難しかったが、とても満足出来る釣果に、素晴らしい渓相、綺麗な新緑、とても良い思いが出来た釣行だった。

写真記録



































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