今回はTさんと一緒にヤマトイワナの生息する源流域へと足を踏み入れる事にした。天気予報では雨時々曇りと芳しくなかったのだが、登山道を登り始めると陽が射して来て一気に汗が噴きだした。30分毎に少し休んでを繰り返し、目的水域の川床へ着いたのは3時間近く経った頃だった。朝飯を軽く握り飯で済ませ、釣り上がる事にした。

『テレストリアル』 
釣りチャンネルでフライの番組を見ていて知った言葉だが、蟻やコガネムシなどの甲虫類やバッタなどの陸生昆虫の事で、フライではこれらに似せて作っ毛鉤の事を言う様だ。夏のイワナはこのテレストリアルが良いと言う事なのだが、理由としては川虫の羽化が少なくなり変わりに陸生昆虫が流れてくる事が多くなると言う事だった。

夏休み前このテレストリアルの毛鉤を作ろうと思い、家にあった硬いスポンジを加工してコガネムシのような形の毛鉤を何本か作って夏休みの釣行に挑んだが、魚の反応は有っても、ついには釣り上げる事が出来ずじまいだったのだ。
今回はその毛鉤で何とか釣ってみたいと考えていたので、まずはその毛鉤をラインに結び、目の前の流れにふわりと乗せてみた。するといきなり水面がわれ、鉤には掛らなかったが小型のイワナが反応してくれた。そして次に流した時には、ついにイワナが釣れた。最初のポイントで釣れてしまい正直ビックリしたが、次のポイントでもその次のポイントでもイワナ達は無邪気にこの変てこな毛鉤に飛びついてきた。
仕掛けの準備が出来たTさんに「入れ食いですよ!先にどうぞ」と先行を促し後から見ていると、ミミズの餌には食いついてこないようである。その後も変わりは無く餌を変えてもイマイチ反応はよろしくない。一方テンカラの方は昆虫毛鉤でも普通の毛鉤でも魚の反応は良く、ポイント毎に釣れ入れ食い状態だ。
魚は完全に水面ばかり見ていて、虫を捕食しているようなのでTさんに餌の変わりに毛鉤を付けたらどうかと渡した。
ガンダマははずした方が良さそうだと告げるが、振り込めないしイマイチ毛鉤釣りに馴染めないようであるが、ガンダマを上げて余り沈めないように流してみるとアタリが有った。しかし餌釣りの要領なので、毛鉤を咥えて吐き出した後の合わせになってしまい鉤掛りしない。諦めて釣り慣れた餌つりに戻して釣り上がる事にした。
昼前になると予報どうり上空は雲で覆われポツポツと雨粒が落ち始め、そのうち霧が出てきて不気味な感じになって来た。すでにオイラの釣果は申し分なく大満足なのだが、この釣り場では尺上も期待していたのでもう少しだけやる事にした。直後、前に居たTさんの竿が大きく弧を描いているので駆け寄ると、取り込みに成功している。綺麗なヤマトイワナで、本日一番の大物であるが惜しくも尺には届かない様である。Tさんの満足そうな顔に自然と笑みも零れオイラも嬉しくなってくる。そして間もなく期待が持てる最後のポイントだが、この場所では二人とも不発に終わり本日の釣行の終わりを迎えた。Tさんはこれほどまでの毛鉤との釣果の差に、テンカラに興味津々のようである。


































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