連休を使い渓泊釣行をする事にした。
予報では2日間天気も良さそうなので、登山道を使って沢の源頭まで行くつもりで、一泊用の道具を揃えザックに詰め込んだ。夜明けを待って歩き始め、急登の登山道をゆっくりと進む。今回はお1人様って事もあり、食料や特に酒類は控えめに持って来たつもりだが、それでも一泊分の荷物の重みは容赦なく両肩に食い込んでくる。
2時間ほど登って重大なミスに気が付いた。飲み水の計算を勘違いしていたのだ。水場までまだまだ遠いのだが、この休憩で飲み干してしまったのだ。
軽い脱水症状になったのかもしれない、足が前に出なくなってきた。
超スローペースで水場を目指すが、どうにも我慢できなくなってしまい、
今晩のために凍らせて持って来た缶酎ハイを飲んでしまう事にした。
ザックから取り出すと、良い感じに解けていて、プルタブを開けると、ちょうどシャリシャリシャーベット状が少し残っていて、抜群に冷えている状態だ。一口飲むとその美味さに感動をおぼえるほどだ。一気に体の中に吸収していくようで止まることなく一本飲み干してしまった。今までどんな場面で飲んだ飲み物の中でもここまで旨く感じた物は無かったろう。
水場までの間、我慢できずもう一本酎ハイを開け喉の渇きを潤した。そして水場にたどり着いたのは予定より2時間も遅くなってからだった。水分の心配は無くなったが、体が言う事を聞かない状態は天場に着くまで直らなかった。
ヘロヘロで天場にたどり着き、一休みしてから宿の準備、焚き火の準備をすませた。

野営の準備が出来たので、あとは釣りを楽しむのみ。今回はテンカラで釣れる瞬間をビデオにおさめるという目的もあるので、釣れそうなポイントではビデオカメラを構えつつ竿を振るのだ。
しかし、カメラを構えたときに限って魚が出ない。カメラを仕舞うと出る。そんな繰り返しで中々上手い具合に撮る事が出来ないで居た。

高度が増すにつれ、周りの景色が変わってくる。山の稜線が近くに見え、木々の高さが低くなると、視界に入る空の青の割合が増えてくるのだ。断崖絶壁の深い谷底で釣りをしていると、薄暗く気味の悪い思いをするものだが、ここの釣りは景色が最高、一人でも気分良く釣り進む事が出来る。

源流もここまで登ってくると水量が減り、大場所と言う様なポイントは無いが、何処からでも出てくる感じだ。
大物は期待できそうも無いが、充実した釣りが楽しめる。
種沢であるこの小さな沢は魚影が多い。この魚達が沢山居るからこそ、この水系で毎年楽しませてもらえるのだと思うと、魚をキープする気には成らなかった。
1本だけ、今夜の一人宴会に花を添える塩焼き用として、丁重に〆させてもらった。


釣り上がりながら、天場の移動を考えていた。じつはヘロヘロ状態で天場に決めたのは、いわゆる川原。
万が一大雨になり増水すれば水が流れる場所なのだ。基本的にこういう場所を天場にするのはアウトなのだが、今日明日は雨降りそうもないし、乾燥した流木が多く焚き木に不自由しない、目の前に南アルプスの天然水。増水さえしなければ非常に都合の良い天場なのだ。
疲れていたせいもあり『ここにしちゃえー』っと、半分投げやりに決めてしまったのだ。
単独行の今回は特に、危険な事は少しでも省いていかなければいけないのに、、、釣りながら少し反省。
幸い釣り登ってく途中、高台に天場に成りそうなスペースを発見したので移動を決めた。
安全面と引き換えに、乾燥した焚き木が湿った焚き木に変わり、飲み放題の南アルプスの天然水がチョット遠くなり、満点の星空が木の陰に隠れて見えにくく成ってしまう。
それでも何より大切な事は「無事家族のもとに返ること」「臆病すぎる位で丁度良い」何時も自分に言い聞かせている事なのだ。

天場を移動し、テントの設営を終えたら焚き火を起こす。
これが無いと渓泊りの楽しさは半減してしまうので、酒を飲む前にまずは火を灯すのだ。しかし、ここに有る焚き木は半端じゃなく湿っている。濡れているって言ってもいいくらいで、何度となく失敗してしまう。
焚き火を起こすのに1時間以上掛かり、辺りはすっかり暗闇に成ってしまった。ようやく冷やしたチューハイで一人おつかれさ〜ん、、、淋しい。
一人だとやっぱ淋しいね〜
今日釣れた綺麗なヤマトイワや、源頭の独特な雰囲気、飲み水の計算を間違えてチューハイで喉の渇きを潤したアホな事、
楽しかった1日を振り返り、仲間と語り合いながら飲みたいものである。
焚き火に勢いがつかない。濡れてるせいで炎が景気良くあがらないのだ。じわじわ燃えてる焚き火を見てても全然面白くないのだ。そんな事もあり、かなり早いご就寝である。
何年か前に購入したが中々使えずにいたエアーマットに体を預けると、めちゃくちゃ寝心地良いのだ。いつもはマットの下の石ころが気に成ってしまうが、そんな事は一切無い。快適安眠気付くと朝になっていた。

本日は昨日竿を出したポイントよりも下流域で竿を出す予定だ。釣り下って行き、適当な所で登山道まで這い上がれそうな場所を探す予定である。

昨日の釣り場に比べ滝や大きな淵など点在し、いかにも大物が潜んでいそうな流れである。
川幅もかなり広いので、仕掛けを長くして釣り始めた。逆光が眩しく毛鉤もラインも見えない状態だが、なんとなく感覚でやってたら、ラインを通じて手応えを感じたので合わせたら、イワナが掛かっていた。
さすがにこれでは楽しくないので、成るべく流れに近づかないように下流側に回り込み、太陽を背にしてテンカラを振った。ここぞと言うポイントへワクワクしながら毛鉤を落とすと、水面を割って出るイワナは、大物とはいかないが、餌を沢山食べていそうな太った魚体である。
その後も結局は尺超えのイワナには会えなかったものの、楽しくワクワクするような釣りを楽しんで、竿を仕舞う事にした。地形図とにらめっこ、、、そしてガレた沢を登り始め、程なくして登山道へと導かれる。帰りの登山道は行きとは違って絶好調!水場以外はノンストップで歩ききってしまった。良い釣り旅でした。


































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